
41回目の誕生日の日曜日。何をしようかと家で考えた。 これからの自分の仕事を考えるとアジア、とりわけ中国との関わりが否応なく出てくることが想定されている。僕は商売相手と関わりが深くなる場合は、相手の神様にあいさつに行くことにしている。相手の精神性が感性として理解できる気がするから。
というわけで、前々から気になっていた神戸の南京街の人たちが建てた関帝廟へお参りに行くことにした。関帝廟というのは、三国志有名な武将・関羽を祭った聖廟だ。
世界各地の華僑たちが建てるそうだ。関羽というのは勇猛で義理堅い人として、数百年に渡り、為政者にも民衆にも愛されてきた。
そういうわけで、民衆には商売の神様として祀られてきた。 神戸にもひっそりと関帝廟が静かな山手に建っていた。
県庁のさらに山手の住宅街を歩いて行くと、不意に桃色の塀に囲われた関帝廟が現れた。温かな日曜日だけど人気はなかった。

国民党の元老と言われる干右任による扁額が門に掛っている。 清潔な境内に入ると短い本堂までの参道には、精緻な彫刻と多くの漢文が書かれていた。

本堂内は撮影禁止だから写真はなし。 正面に関羽がどんと座っており、左右に4人づつ部下を従えている。 本堂に入ると壁際の左右に武人がにらみを利かせていた。 関羽に手を合わせ、本堂の天井を見上げると、金色の龍が口を開いて、今にもこちらの降りてきそうだ。
ここで僕が気がついた。
関羽は聖人とは言え生々しい人。天井には龍=天。 ここは僕らの生きている世界だと。 あの世ではなく、今ここで生き抜くことを見つめ、勇気づけてくれる場所だと。
というわけで、普段は決してやらない中国式のおみくじを引いた。 関羽と龍が見守る本堂内で。ひとりきりで。
結果は。(笑)
ともかく中国の華僑の商売の心持を感じることができたお参りだった。 僕には十分だったし、誕生日に行くにはいい場所だった。