ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」感想
ピンチョン「競売ナンバー49の叫び」を読了。
ピンチョン作品を読んだのは2作目で1作目は「LAバイス」。
本作中、頽落した「ひと」たちの日常の上を覆うシステムへの不安はどんどん深まっていく。
作中の不安感は、主人公が本来性の気づきへは向かわせず、ひたすらごみのような情報に取り囲まれていく。
主人公は積み上がる体験に意味をつけ続けるが、真実には決して辿り着けない。真実のような情報が集まれば集まるほど真実は遠くなる。
不安はまた情報を集めようとさせる。
まるでSNSに囲まれた我々の時代のよう。
そしてラストシーンはここまでの混沌から清々しく感じる余韻。
短い小説だったが濃密な時間を過ごせた。
次は長編「V.」に挑戦。
更新日:2026-03-05