音声メモアプリ「SlipMemo」を公開しました
なぜ音声メモアプリ「SlipMemo」を作ったのか?
iPhoneの音声入力が優秀なので、最近は日常的に使っている。
Slack、Gmail、Obsidian、Googleカレンダー、Todoistなど音声入力の機会は幅広い。
自分向けの覚え書きなら多少雑な入力結果で良いのだが、他の人への送付の場合は音声入力後、微妙な調整が必要なことが多い。とはいえ、アプリの上で調整していると誤送信が怖いなと思っていた。
そこで音声入力の利便性を活かす下書きメモアプリがあればと考えていた。
同様のコンセプトの既存iPhoneアプリもあるんだけど、機能が私には過多だったり、サブスクだったり。
イメージはロディアメモ帳。書き殴ったら破りとり、また新しく書く使い方。
ロディアメモ帳のように、メモの蓄積を考えない使い方をアプリでもやりたい。
音声入力ならペンも不要なので、ロディアより手軽に使えるアプリが欲しい。
まずアプリの利用目的から考えた
自分用だから利用環境は限定的で十分。
音声入力でテキストをメモし、他アプリに共有する下書き専用がアプリの利用目的だとすぐにまとまった。
- iPhoneの音声入力メインが大前提
- メモは他アプリに共有しやすく
- 起動は軽快に
- メモの蓄積や検索は不要
- UIはシンプルだがクリーンで飽きないデザイン
といった利用目的と要望をまとめた。
しかし私はiPhoneアプリを作ったことがない。
アプリってどう作るの?
ChatGPTにiPhoneアプリでの開発を前提に「利用目的と要望」に基づく仕様概要案を立案させてみた。
複数回やりとりをして、仕様概要案はほぼ完成したが、アプリ開発にはMacBook Airに開発環境をインストールしなければならない。
しかし、インストール容量が大きく、私のMacBook Airには入りきらない・・・
外付けSSDでの活用も調べたが、素人にはハードルが高いと分かり諦めかけた。
ふとWebアプリなら?と思い立ち、ChatGPTに再び質問すると「できます。シンプルな機能なのでWebアプリの方が開発負担も低いです」と答えるではないか。
そこでChatGPTにiPhoneアプリ用の仕様概要案をWebアプリ版に更新させ、次のステップへ進めることができた。
アプリ開発はChatGPTとCodexを活用
OpenAIは立案系はChatGPT、コーディングはCodexの使い分けを薦めている。
そこで立案系はChatGPT、コーディングはCodexと使い分けることにした。
その際、ChatGPTから「そろそろメモアプリの名称を決めましょう」と助言があった。
ChatGPTに複数案を出させ検討した結果「SlipMemo」にした。
Slipには小さな紙片の意味があるのが気に入った。
名前に軽快さが感じられ、このアプリのコンセプトにもマッチしている。
Codexは仕様書を受けて、さくさくとWebアプリを開発してくれる。
人間はその間見ているだけ。
ただCodexにはコーディングに使えるトークンの制限がある。
制限を超えると極端に遅くなったり動かなくなる。
設定画面でトークンがみるみる減るのを見ながら開発を進めた。
無料で使えるサーバーを活用
Webアプリ版なので、データ一式をアップロードするサーバーが必要。
本当に便利なら会社に提供して、自社サーバーに置いてもいいのだが、今はあくまで個人プロジェクト。
いろいろと調べて、xrea.comを使わせてもらうことにした。
広告バナーが表示されるけど、Webアプリは軽量な作りなので問題なさそう。
SSLの設定などに苦戦したが、なんとか設定できた。
「SlipMemo」が動いた!
Codexが作ったデータ一式をxrea.comにFTPでアップロード。
iPhoneのSafariでアクセスし、音声入力をやってみる。
最初のバージョンから問題なく動いた。
感動。
iPhoneのSafariで「SlipMemo」をホーム画面に保存するとアプリのように使える。
共有ボタンはSafariしか使えないが、コピーボタンを追加し、Chromeでも「SlipMemo」を利用できるようにした。
その後はUIの改良や使い方ページの作成などをCodexに指示しながら進め、いったん完成。
SNSでも紹介した。
音声メモアプリ「SlipMemo」の今後
私は30年以上、Web制作に携わってきたが、自分がコーディングを全くせずにWebアプリを実用レベルに完成できたことに感動した。仕様案の策定やコーディング、基礎的な動作検証はAIが実行した。
私は起案、確認、修正指示、判断に特化した。
ただこの役割分担の実感が、自社でもAI協働の手応えになりそうだ。
音声メモアプリ「SlipMemo」は当面は私が積極的に使ってみて、UIや機能の改善について、AIを活用して取り組んでいきたいと考えている。それは経営者である私自身が自社でのAI協働の可能性と責任を考える機会にしたいからだ。
更新日:2026-06-07